表面処理とは、主に製造工程の最後に行われる、素材表面の性質を高めたり、美観性を向上させたりするために施す機械工作法の一種です。
表面処理の種類は、清浄、研磨、エッチング、塗装、めっき、化成処理など複数の分野に分けられています。
今回は、その中の「めっき」についてご紹介します。
めっきとは
めっきとは、金属や非金属などの素材の表面に、種類の違う金属を用いて薄い金属の皮膜でコーディングする表面処理の一種です。
めっき処理は、スマートフォンのコネクター部分や、自動車のエンジン部品、水道の蛇口など、家電製品をはじめ自動車部品など、私たちの日常生活のさまざまな製品に広く使われています。
めっき処理の目的
めっき処理は、素材の表面に金属の薄膜を形成する技術であり、その目的は多岐にわたり、大きく分けて3つあります。
装飾性の向上
装飾めっきにより、素材の表面に光沢が生まれ、さまざまな色彩を素材に付与することができます。装飾めっきは、製品の見た目を美しくするだけではなく、耐食性を高めることもできます。
これにより、製品のデザインの幅が広がり、消費者の多様なニーズに応えることができます。
耐食性の向上
耐食性向上用のめっきは、製品の寿命を延ばし、品質を保つために非常に重要な役割を果たしています。めっき処理により、素材の表面に保護膜が形成され、酸素や水分などの腐食因子から素材を守ります。
また、素材の表面を均一に覆うため、微小な傷や欠陥が腐食の起点となるのを防ぐことができます。代表的なものに亜鉛めっき、無電解ニッケルめっきなどがあります。
機能性の向上
めっき処理により、素材の電気伝導性・耐摩耗性を高めることができます。例えば、銀めっきや金めっきは優れた電気伝導性を持ち、電子部品の接点やコネクターに使用されることが多いです。
また、硬質クロムめっきや無電解ニッケルめっきは摩耗に強く、製品の表面を傷や摩耗から守ることで、耐久性を保つことができます。
めっきの種類
代表的なめっきの種類についてまとめてみました。
種類 | 膜厚(最小~最大)/μ | 主な素地 | 別名 |
---|---|---|---|
硬質クロムめっき | 5(1~500) | 鉄、SUS、銅、その他合金 | ハードクロム、HCr、ICr |
亜鉛めっき | 5(3~50) | 鉄、銅 | ユニクロ、無色クロメート、光沢クロメート |
10(5~50) | 三価ホワイト、三価ユニクロ、三価クロメート、白クロメート | ||
無電解ニッケルめっき | 通常5(1~100) | 鉄、SUS、銅、アルミ | カニゼン、無電解Ni |
ニッケルめっき | 20(5~50) | 鉄、SUS、銅、真鍮 | Ni、電気ニッケル、電解ニッケル、電気Ni、電解Ni |
クロムめっき | 20(5~50) | 鉄、SUS、銅、真鍮 | ニッケルクロム、NiCr |
※膜厚に関しては、材質によって違いが出るため、上記の数値は目安です。
おわりに
めっきにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特性や用途を持っています。目的としている装飾性や耐食性、機能性の向上に応じて、適切なめっき方法を選択することで、製品の性能、耐久性、美観性が大幅に向上します。
株式会社エージェンシーアシストでは、材料手配から加工・表面処理など、複数工程が必要な製品でも最小ロット1個から承っております。部品調達にお困りでしたら、お気軽にお問い合わせください。
エージェンシーアシストの加工実績はこちら
表面処理込みの加工実績を多数ご紹介しています。
エージェンシーアシストは、材料の手配から加工、表面処理まで含めて一社購買で調達します。
部品1個からの多品種小ロットで対応が可能です。
さらに、全国3ヶ所ある社内の品質管理センターで検査済みの製品をお届けします。
お見積り無料!ぜひお気軽にご相談ください。